逆風吹きまくりのカジノ法案はどうなるの?
日本にカジノを作るためのカジノ法案ことIR法案。賛成派の当初目標では2020年の東京オリンピックまでに、日本国内のどこかにカジノを建設する予定でした。
しかし、現在は2025年に開業するのではないかと、予想が後退しています。
○カジノ法案に吹いている逆風
元々、日本国民には賛成派の方が少なかったことに加えて、元・副大臣がカジノ業者から金銭をもらっていたという疑惑が出てしまい、イメージが極端に悪化しています。
共同通信の調査ではカジノ法案ことIR法案への見直し意見が7割という状態であり、カジノに吹く逆風はかなり強まっているのが現状です。
○カジノが出来るとメリットがある?
カジノ推進派の意見としては、主に三つのメリットがあると主張されています。
1.観光収入が得られる。
2.雇用が確保できる。
3.インフラ整備による地域の活性化。
日本経済の起爆剤の一つとして期待されていますが、観光収入はともかく各業界が慢性的な人手不足であるため雇用はとっくの昔に確保されている状態です。
そもそもカジノで働きたいという日本人が少数派なのは確実です。
海外の客とコミュニケーションが取れる語学力が堪能な日本人は、カジノで働きたいとは思わない層が多いのではないでしょうか。
インフラ整備をすると、道路を作っているときは儲かるかもしれませんが、後々のインフラの維持費が懸念されます。
観光収入を増やすことには効果的につながるかもしれませんが、その他は一時的な効果に終わるリスクはかなり高そうです。
○カジノ以外の観光収入が見込める?
カジノ法案ことIR法案では総合的なリゾートを建設することも企画されています。
しかし、日本国内の大型遊園地で活気があるのはディズニーリゾートと大阪のUSJぐらいかもしれません。日本国内で遊園地が今さら流行する可能性は高くないものです。
現在の大型リゾートに求められるものは、高額の入場料の見返りとして得られる「非日常的なレベルの感動」であるため、かなり投資されたリゾートを運営する必要があります。
ディズニーランドやUSJレベルの運営が可能な企業がいるのか、それを確保できるのかは大きな疑問点です。
もちろん今までがダメだっただけで、これからの企業は今までよりも有能であり、リゾートが大盛況になるかもしれません。
○カジノが出来るとデメリットがある?
カジノ反対派の意見としては、主に三つのデメリットがあると主張しています。
1.治安の悪化。
2.ギャンブル依存症の増加。
3.マネーロンダリングに使用される。
治安の悪化は起きる可能性はあります。観光地の治安は基本的に悪いからです。
ギャンブル依存症も増えるリスクがあります。日本ではギャンブル依存症の患者発生率は国際的にみると高止まりしている現状があります。
カジノ法案でギャンブルの場を増やせば、それに比例して増えることは確実です。
マネーロンダリングは警察の努力でコントロールできるかもしれません。もちろん、そのための諸経費が発生するのは確実です。
カジノ法案によりIRは本当に出来るの?
それほど日本国民の支持があるとは言いがたいカジノ法案ですが、政治力の強い安倍政権の後押しで推進されてきました。
では、カジノ法案は政局次第で消えてなくなるのでしょうか?
○他に経済刺激策がない?
日本の経済刺激策にはこれといって目玉もないため、カジノ法案は安倍政権後も推進される可能性はあります。
経済が悪化してくれば、公共事業を行うしかありません。カジノ法案が作るIRのためのインフラ整備は公共事業としては優れています。
たとえ長期的には負債になったとしても、短期的な経済刺激策としては有効なのが公共事業というものです。
○政治家や企業にメリットが大きいから推進される
少なくとも短期間的には仕事が生まれるため、それを狙って多くの企業が利益を狙って支持するはずです。
長期的に成功すると本気で見込む人がどれほどいるのかは分かりませんが、短期的には儲かるのは確実であるため、国民がどれだけ反対しようが作られる可能性はそれなりに維持されるのではないでしょうか。
短期的な公共事業にありつければ企業としては問題ありません。最終的にカジノが潰れたとしても、廃墟のリゾートが立ち並んだところでも何のデメリットも企業にはないからです。
そういったリゾートの残骸は日本の各地にいくらでもあり、今さら珍しいものではありません。
まとめ
カジノ法案は短期的な経済刺激策として有効であるため、カジノは日本に誕生するかもしれません。
その結果に誕生したカジノやIRが維持できる見込みが、一体どれほどのものかは怪しいように思えます。
これからカジノ法案はどうなっていのか、目が離せない状況です。