近代のリフレクソロジーはアメリカ人医師のウィリアム・フィッツジェラルド博士のゾーンセラピー(区域療法)によって幕を開けます。ウィリアム・フィッツジェラルド博士とエドウィン・ F ・バワーズ博士が共同で出版した「ゾーンセラピー」は「家庭で行う止痛法」というサブタイトルがつけられ、足裏マッサージを解説した近代最初の本といえるでしょう。これは身体のどこかに痛みを感じたときに、別の場所を物に押し付けるなどして痛みを緩和させるといった、普段無意識に私たちが利用していることを体系化したものです。博士は身体を、脊椎を中心に左右 5 本、計 10 本の区域に分けました。同じ区域にある部分は、互いに反射しあっているわけです。
その後、フィッツジェラルド博士の研究を更に発展させ、ワシントンのジョー・リリー博士が足の反射区について初の精確な図解を作成しました。さらに、リリー博士はフィッツジェラルド博士の垂直ゾーンに補足を加え、博士自らが発見した人体を支配する八つのゾーン水平ゾーンをつけ加えました。ゾーンセラピーはその後も精細な研究が続きました。1938年にはユーナム・インガム女史が「 Stories the Feet have Told Reflexology (足は語る)」を出版。足裏に臓器・器官を投影したフットチャートを作成します。これが近代リフレクソロジーの誕生といわれています。このフットチャートは少しずつ改良されながら現在に至っています。各リフレクソロジーで反射区の位置など多少の違いは認められますが、どのリフレクソロジーでも足裏に身体の器官を投影したフットチャートが用いられています。彼女が改良を加えた指圧療法は、親指の運動を中心とした軽柔刺激法で、「インガム式療法」と呼ばれています。